積み重ねる

「継続は力なり」
とよく言われますが、これは脳の働きからみても正しいようです。
ただし、継続する方向によっては逆に有害な力も働きます。

脳はエネルギーの消費を抑える

私たちの脳は複雑な処理を常に行っています。そのため多くのエネルギーを消費します。
そこでエネルギーの消費を抑えるために、パターンを作り上げます。
私たちのエネルギーは有限。なるべくエネルギーを温存しておきたいため、脳はエネルギーの過剰な消費を抑える性質があります。

ある本では

私たちはバッテリーで動く移動性の生き物

と表現されていました。

プログラムのように一連のパターンは必要なときにすぐに取り扱えるセットとして頭の中に収納されています。
こうすることで、一連の流れをいちいち考えることなく素早く使え、その結果エネルギーの消費を抑えることができます。

引っ越しや職場が変わったとき、物の配置が変化し、以前のパターンが使えません。その際には頭はより考えるため、普段よりもエネルギーを使い、ストレスを感じます。

ストレスのランキングを調べると「転勤」「引っ越し」「就職」などもランクインしている理由です。

新しい物事を学ぶ際に「難しい」と感じることはよくあります。
「習うより慣れよ」という言葉がありますが、新たなパターンを獲得するには時間と労力がかかるのです。

意識と自分

脳の中の複雑なシステムの中で私たちの意識は限定的な範囲の中だけで有利です。

ある本ではこのように書いてありました。

意識とは新聞のようなものだ。脳は忙しく働いていて、国と同じようにあらゆることが局所的に発生する。あなたが心のなかの大見出しを読むころには、重要な行動はすでに起こり、あなたがアクセスできる舞台裏の事情は驚くほど少ない。情報を最後に聞くのはあなただ。

会社で言うと、意識は社長に当たります。
例外はあるかもしれませんが、細かなそれぞれの部門での働きを社長がすることはありません。それらの働きもとに会社の方針や成長を考えるのが社長の仕事です。
もしも、社長が社員一人一人にあれこれ指示を出せば、効率が下がるだけです。

乗り物で言うと、意識は運転手になります。
どの乗り物であれ、本当に乗り物の細かい働きを考えるのが運転手の仕事ではありません。
乗り物の働きではなく、どう乗り物を利用するかを考えるだけです。しかもパターンを使って。

自分にとって有害なパターン

生活する上で脳はたくさんのパターンを持っています。
もしも、そのパターンの中に自分を故障させるものがあったとしても、私たちは普段そのパターンを使ってしまうのです。

ある患者さんが首の痛みに困っていました。
首の筋肉の緊張が原因でした。

施術を行い、首の筋肉の緊張がとれて、確認してもらいます。
そのときにあるパターンが出現します。骨格的に無理な動きのため首をそれ以上痛めないように筋肉が過剰に緊張しているのです。

日常的にそのパターンが出現していれば、その方はまた首を痛めることでしょう。
たとえ、そのときは楽になっても、筋肉の過剰な緊張のパターンはとれていないのですから。

この問題の怖い所は、自分のパターンを使い続けることで、いずれもっと大きな故障を引き起こす可能性があるかもしれないということです。

そのパターンをとるために、説明したとします。
私たちはどういうわけか、「理由を聞き納得すればそれができる」と感じてしまいます。

実際に、分かったとしてもすぐにはできません。
自転車の乗り方を聞いても実際に練習しない限り乗れないのと同じです。

さらに、その都度、意識的にパターンを直そうと考えると、社員一人一人に口を出す社長のように、自分の筋肉に余計な干渉を増やして効率を落とすだけなのです。

では、過剰な筋肉の緊張を除いたまま、自分にとって有益な新たなパターンを獲得するにはどうすればよいでしょうか?

意識は目標を設定します。それを達成する方法をシステムの他の部分が学びます。
例えばその時のアドバイスを思い出したり、考えたりしながら、目標に向かっていくことで、新しいパターンを獲得することができます。

そういった練習によって、はじめて首を痛めないパターンのように有益なパターンを獲得することができるのです。
自転車に初めて乗れるようになったときは、このプロセスを体験しています。

なんでそういうアドバイスを提案されたかわからないけど、やってみたらなぜかうまくいく。
そういうときには意識以外のシステムが学んだことを意識は邪魔するのではなく、理解していくことが必要かもしれません。

それは難しいと最初は感じるものです。

でも、よくよく学んでいくと、難しいと感じるのは意識の中だけです。
自分全体でみると、確実に学んでいくものがあるのです。

そうして体の中にいろいろなサポートがあることに気づき、変化していくことができます。

ワークの活用

ワークは初めは混乱することも多く、手軽な方法でもありません。しかし少しずつ変化の力をもたらします。
ある地点までくると、学んだ情報と今まで積み重ねたものを信頼することを通じて自由や楽な自分自身を見つけられます。
そうして新たに獲得したパターンを選ぶことも、前のパターンを選ぶこともできる自由を手に入れていくのです。

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