元に戻す

ケガをして治ったときに、「元に戻る」と表現することがあります。
たしかに元に戻れたらどんなに良いでしょう。本当に心から元に戻したいときがあります。
でも、元に戻ることはタイムマシンでも開発されない限り難しいでしょう。

私たちの体は一秒も休まずに常に修復を続けていますが、それは「元に戻る力」ではなく、「新たに進む力」です。

新しい動き

  • 捻挫をした箇所が回復する
  • 骨折をした所が回復する
  • ケガをした所が回復する

痛めた所が回復する途中に何かの動作を練習しなければならなかった場合、その時に練習することは「元に戻す」ことではなく「新しく動く」ことです。
その結果が前と同じだとしてもです。

例えば、スポーツで足首を痛めて、回復し、また運動に戻った際に、足首を動かしていきます。
うまく回復した結果、前と同じように動けたとしても、それは前と同じではなく、新しい動きなのです。
回復しても感覚がしっくりこない時もあるかもしれません。もし「しっくり」こなかったとしても、その感覚はただ前と比較しているだけなのです。今の自分から新しい今の動きを行っていく必要があります。

私の経験

私は左肘を骨折してから、完全に曲げることはできません。その結果、肩甲骨や鎖骨、肋骨の周囲の筋肉に左右でアンバランスなところがあり、動きがいつも気になっていました。

ある日のレッスンで先生に「右と左で腕の動きが違う」ということを話し、動きを見てもらいました。その際に最初に先生が「私もここにケガをして、左右で動きが違うが、ちょっと考えてみて、左右同じに動くことが必要なこと?」と言われました。

その後、実際に動きを見てレッスンをしてもらいましたが、何よりもその最初の質問に驚きました。
私はずっと今まで、「元に戻そう」としていたのです。

今日の自分が昨日や先ほどの自分と同じことはありません。そのように感じていたとしても、全く違うのです。

その都度新しく始める

先生はその都度、私に丁寧にワークをしていきます。毎回毎回忍耐強く。
それはその時の私に必要な何かを教えるのと同時に、何度も丁寧に新しく動きはじめることを教えてくれることでもあります。

ある先生がレッスンでこんなことをおっしゃいました。
私:「いつもはこんな風に動く」
先生:「いつもなんてないのよ」

この言葉を今も何度も思い出します。そして何度も新しく学んでいきます。

子供

子供はいつでも新しく今を動きます。あっちに動いたと思ったら、こっちで泣き、かと思えば怒り出し、満足すればまたあちこちに動き、眠ければ寝ます。
自分の体のどこを動かしても好奇心だけです。そこには過去に何があったかなど気にしません。
成長するにつれて私たちは多くのことを学びますが、経験と体験は時に自分の体を一定のものとしてしまいます。
その動きには選択はありません。新しい好奇心と自由さは眠っています。

何かのケガをしたとき

何かのケガや病気をしたとき、その回復を待つ間も、元に戻そうと思う気持ちは痛いほどよくわかります。
でも、それは時間を巻き戻せない自然界のルールでは少し無理がある願い方です。
その代わりに新しく、今の条件での自分の動きを始めることを、その都度願うのはいかがでしょうか?
自分自身に欠けているものだけではなく、自分自身の回復力や今この瞬間も働く力にも目を向けて欲しいのです。
そうして、新しい動きを自分の中に見つけてみてください。

ワークの活用

ワークを学ぶことによって、何度も新しく動くことができるようになっていきます。言い換えれば、その都度その時の自分に戻ることができるともいえます。また、その都度動きを選ぶことができるとも言えます。

子供は素晴らしいですが、子供になることが、素晴らしいわけではありません。
今の自分という条件の中、その都度、動き始めることが素晴らしい力になります。

少なくとも、そういう風にワークを活用していこうとしたとき、人のかけがえのない瞬間を見たように私には感じます。

ワークについて
ワークを受ける

関連記事

  1. 病院との付き合い方

  2. 心のもつれをほどく

  3. 現実との口論

  4. 積み重ねる

  5. butではなくandで考える会話方法

  6. 質の良い食事のために

  7. ストレスって何だろう?

  8. 質の良い睡眠のために

その他の記事

  1. クラスの予定

    1月のクラスの予定
  2. コラム

    元に戻す
  3. コラム

    動きの秘密
  4. クラス

    アクティビティについて

おすすめの投稿

  1. クラスの予定

アーカイブ

新着記事を購読しませんか?